トヨタ2000GTの特徴

日本国内で発売された車の中でも、特に根強い人気を持つモデルの一つが「トヨタ2000GT」です。
トヨタ2000GTは、1967年にトヨタのブランドで販売されました。
1963年に始まった日本グランプリの成長に伴って、世界的に通用するスポーツカーとして生み出されたのがこのトヨタ2000GTです。

トヨタブランドとして発表されたとはいえ、この車はヤマハ発動機の協力を得て開発されており、ヤマハ発動機に生産委託をする形で2000GTが誕生しました。
「国産車初のスーパーカー」としても親しまれていますが、生産台数は337台と当時としても非常に少ないほうでした。
エンジンには「MF10型」と「MF12L型」の2タイプがあり、最高出力はMF10型で150ps/6600rpm、MF12L型では140PS/5800rpmとなっています。
斬新なデザインとハイスペックで、現在でもファンが多いのが2000GTの特徴です。

車の性能を世界に示すために、1966年当時、3日間かけてスピードトライアルが実施されました。
トライアルでは6時間、12時間、24時間、48時間、72時間の走行平均速度、および1000マイル、5000マイル、10000マイルにおける平均速度などが測られました。
この時のトライアルでは、3つの世界記録と1500〜2000CCにおけるEクラス内国際記録を13個も獲得しています。

ボンドカーとしても採用されたトヨタ2000GT

トヨタ2000GTは、ジェームス・ボンドが活躍する映画「007は2度死ぬ」に登場したことでも有名です。
この映画の一部は日本で撮影されており、そのシーンに2000GTが登場します。
車に乗っている俳優の顔がよく見えるようにと、映画の製作者側からオープンカーを要求され、わずか2週間の間に大幅な改造を行ったのが映画に登場する2000GTです。

映画は1967年6月に封切られ、映画に使用されたボンドカー「TOYOTA 2000GT The“Bond Car”, 1966」は、現在トヨタ博物館に収蔵されています。
トヨタ博物館にはこのボンドカー以外に、スピードトライアルに使用された「TOYOTA 2000GT “Speed Trial”, 1966」のレプリカや、実際に市販された前期型の「TOYOTA 2000GT Model MF10L, 1967 Early Model, LHD」などが展示されています。
地上からの高さを保つためにリトラクタブルタイプが採用されたフロントライトや、ヤマハ製のウッドステアリングがあしらわれた内装など一見の価値ありです。
レトロな車が好きなのであれば、ぜひ足を運んでみてください。