応急手当を知っておくべき理由

災害時というのはいつ誰が怪我をするか予測できず、自分も必ず無傷でいられる保証はありませんよね。
また救助を求めても消防車や救急車の到着に時間がかかったり、道路状況によっては駆けつけられないかもしれません。
そんな時のために、応急手当の方法を知っておくことはとても大切です。

そして自分だけが覚えていても自身が怪我をしたときに、周りが知らなかったら手当を受けるのが難しいかもしれません。
反対に応急手当の方法を知っている家族が怪我をしても、自分が手当の方法を知らなければ助ける事ができません。

このように応急手当を覚える事はもちろん、家族を一緒に覚えることが大切でしょう。
応急手当の方法は症状によって以下の大きく3つに分けられます。

出血した時におこなう手当

最初にしなければならないのは止血です。
多くの場合は直接圧迫止血法で対処できます。

まず血液に触れないよう自分の手にビニール袋を被せ、傷口には清潔な布タオルを当てます。
その上から強く押さえて止血します。
大量に出血している場合でも止血できる事が多い方法です。

直接法が出来ない場合は関節圧迫止血法もあります。
こちらは出血している場所から心臓に近い動脈を押さえる方法です。
直接傷口に触れなくて済む一方で、動脈の位置を正確に把握しておかないと行うことは難しいでしょう。

骨折している時の手当

骨折は折れている所が動かないようにすることが重要です。
副木とよばれる固定するときに支えとなるものを探しましょう。
傘や段ボール、丈夫な木の枝や木材など、硬くて長さのある物なら何でも代用できます。
折れている所に福木を添え、一緒に布で縛って固定します。腕であれば動かないように吊りましょう。

心肺停止の時にやれること

心肺停止の状態を目の当たりにするとパニックになるかもしれません。
しかし一刻を争う事態なので、応急処置が出来たかで命が助かるか左右されることもあります。
方法を知っておくと少しは冷静に対処できるでしょう。

まずは肩を優しくたたきながら声を掛けます。
反応が無い場合は、大声で人を呼び集めましょう。
周りに人がいない場合は、手当よりも先に119番通報とAEDが近くにある事を知っていれば確保しておきます。

次に呼吸の確認をします。
胸やお腹が動いていなければ、直ぐに心肺蘇生法に取り掛かりましょう。
胸部の真ん中に手首の際を当て、1分間で100回くらいのペースで押す胸骨圧迫を30回と人工呼吸2回を1セットとして救急隊が到着するまで継続して行う必要があります。
AEDを使用する場合は、電源を入れると音声案内が流れるようになっているので、指示に従えば誰でも使うことができます。