同じG-PLANでも大きく異なる「Fresco」と「Tola&Black」の個性
G-PLANは英国ミッドセンチュリーを代表する家具ブランドで、今でも世界中に愛好家がいます。その中でも特に人気の高い「Fresco」と「Tola&Black」は、同じブランドながら印象が大きく異なり、部屋づくりの方向性を左右する存在です。Frescoはチーク材の温かな色味と、手触りの良い丸みを帯びたフォルムが特徴で、柔らかい雰囲気のインテリアと非常に相性が良いシリーズです。サイドボードやチェストは、取っ手の彫り込みが美しく、見た目だけでなく触れたときの心地よさも魅力となっています。
一方のTola&Blackは、艶のあるトーラ材に黒の脚や取っ手を組み合わせた、シャープなデザインが特徴です。赤みを帯びた木目とブラックのコントラストが空間を引き締め、モダンで洗練された印象を与えます。1950年代の英国でモダンデザインを広めたシリーズのひとつとして知られ、ヴィンテージ愛好家の間でも根強い人気があります。
こうした個性の違いから、Frescoは穏やかで落ち着いた空間をつくりたい場合に向き、Tola&Blackはメリハリのあるスタイリッシュな部屋を目指すときにぴったりです。同じG-PLANでもデザインの方向性は大きく異なるため、部屋の雰囲気に合わせて選ぶと長く愛せる家具になります。
素材の持ち味を知ることで、ヴィンテージ感をより楽しめる
Frescoに使われるチーク材は、木の内部に油分を多く含み、時間を重ねるほど風合いが深まる素材です。明るい色味から徐々に飴色へと変化していく過程は、ヴィンテージ家具ならではの楽しみ方といえます。耐久性にも優れており、普段の生活の中でも大きく気を使わずに使えるのがうれしいところです。軽くオイルでメンテナンスしてあげるだけで、表面の輝きが戻り、長く美しい状態を保つことができます。
対してTola&Blackのトーラ材は、マホガニーに似た赤褐色が特徴で、光によって表情が変わる華やかな素材です。仕上げの美しさが強調されるため、リビングやダイニングの主役として置くと空間に品の良い存在感を生み出します。黒い脚部や取っ手はアクセントとして働き、ミッドセンチュリーらしさを際立たせつつ、現代のインテリアにも違和感なく溶け込みます。
どちらもヴィンテージ家具として魅力的な素材ですが、チーク材は温かみを、トーラ材は華やかさを演出するため、部屋の雰囲気を決める大事なポイントになります。素材の違いを理解しておくと、経年変化もより愛おしく感じられるようになります。
空間づくりに合わせたG-PLANの選び方を知っておきたい
G-PLANを選ぶ際は、部屋全体の色味や置かれている家具とのバランスを意識すると、より統一感のある空間に仕上がります。北欧家具のような明るい木材が多い部屋ならFrescoが自然に馴染み、穏やかな雰囲気を引き立ててくれます。逆にウォルナット系の濃い色味や金属を使った家具が中心の部屋なら、Tola&Blackのシャープなラインがアクセントとなり、洗練された印象をつくりやすくなります。
また、G-PLANはサイドボードやチェストなど大型家具が多いため、配置スペースをあらかじめしっかり測ることも大切です。ヴィンテージ家具は同じ型番でも状態が異なるため、引き出しの開閉、天板の傷、脚のぐらつきなどを確認しておくと安心して購入できます。
どちらのシリーズも、日常生活の中で長く愛せる普遍的なデザインを備えています。家具とともに時間を重ねる楽しみを感じながら、自分の暮らしに寄り添う一品を選んでいく。その過程こそが、G-PLANを迎え入れる醍醐味といえるでしょう。
